ふと鏡に映る自分の後ろ姿に「もしかして…」と不安を感じていませんか?その「おばさん体型」と呼ばれる体型の変化は、諦める必要はありません。
この記事では、なぜ体型が変わるのかを解き明かし、ご自宅でできる具体的な「治し方」を解説します。読み終える頃には、自分の体への理解が深まり、自信を持って体型リセットへの第一歩を踏み出せるはずです。

この記事の監修者
近藤 好美
ORIENTAL GREEN 銀座インディバ
オーナーセラピスト/インディバスーパーバイザー
セラピスト歴25年、インディバ施術歴20年以上の経験を持つ、身体のラインとコンディションを整えるプロフェッショナル。これまでに3,000人以上の身体の悩みに向き合い、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を提供。
目次
まずはおばさん体型の特徴を知ろう|後ろ姿でわかる3つのサインとは?

「おばさん体型」とは、単に体重が増えることではなく、体のラインにメリハリがなくなり、特に後ろ姿に年齢が出やすい状態を指します。
まずはご自身の状態を客観的に把握することが、改善への最短ルートです。ここでは、具体的な3つの特徴とセルフチェックの方法をご紹介します。
この体型の最大の特徴は、自分では見えにくい「後ろ姿」に顕著に現れます。具体的には、
- 寸胴になった腰回り
- 丸みを帯びた背中とブラに乗る脂肪
- 四角く垂れ下がったヒップライン
の3点が挙げられます。
これらは、かつてのS字ラインが失われ、全体的に重力に負けてしまったような印象を与えます。まずは、以下のチェックリストでご自身の状態を確認してみましょう。
おばさん体型のセルフチェックリスト
- 後ろ姿の写真を見て、腰のくびれがなくなったと感じる
- ブラジャーのホック周辺に脂肪が乗っている
- 昔履いていたパンツやスカートのウエストがきつい
- お尻と太ももの境目があいまいになってきた
- 壁に背をつけて立った時、腰と壁の間に手のひらが2枚以上入る
1つでも当てはまったなら、それは体がケアを求めているサインです。しかし、ご安心ください。原因を知れば、対策は見えてきます。

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
サロンにいらっしゃるお客様の多くが、このチェックリストの項目にドキッとされます。でも、これは決して特別なことではありません。むしろ、ご自身の体の変化に気づけた素晴らしい一歩なんです。
これまで3,000人以上の方の身体を見てきましたが、皆さん原因を知り、正しいケアを始めることで、ラインは確実に変わっていきますよ。
後ろ姿がおばさん体型になる原因は?腰回りの脂肪と体型変化の4大要因
後ろ姿がおばさん体型になるのは、あなたの努力不足が原因ではありません。
主に「女性ホルモン」「筋肉量」「骨盤の歪み」「生活習慣」という4つの要因が複雑に絡み合って起こる、自然な身体の変化です。
これらのメカニズムを理解することで、なぜ今までと同じ生活では体型が崩れてしまうのかが腑に落ち、対策へのモチベーションも高まるはずです。
原因1:女性ホルモン(エストロゲン)の減少
女性ホルモン「エストロゲン」の減少は、脂肪のつき方を変える直接的な原因です。エストロゲンには、内臓脂肪を溜めにくくし、皮下脂肪を女性らしい丸みのある部位(ヒップや胸)につける働きがあります。
しかし、40代前後から始まる更年期にかけてエストロゲンが減少すると、この働きが弱まり、男性のようにお腹周り、特に腰回りに内臓脂肪がつきやすくなるのです。
また、このホルモンバランスの乱れは脂肪だけでなく、体内の水分バランスにも影響し、「むくみ」を引き起こす原因にもなります。特に、急激にホルモンが変動する産後は、象も足のようにパンパンにむくんでしまうという悩みも少なくありません。
参照元:循環器情報サイトAssist「エストロゲンの脂質に対する生理作用と更年期以降の女性の脂質異常症に対する指導のポイント」
原因2:基礎代謝の低下と筋肉量の減少
何もしなくても消費されるエネルギーである「基礎代謝」は、10代をピークに加齢とともに低下していきます。
これは、筋肉量が減少するためです。筋肉は体の中で最も多くのエネルギーを消費する組織。その筋肉が減れば、若い頃と同じ食事をしていてもエネルギーが消費しきれず、余った分が脂肪として蓄積されやすくなります。
参照元:厚生労働省「加齢とエネルギー代謝」
特に衰えやすい「背中」と「お尻」の筋肉が後ろ姿を変える
後ろ姿の印象を決定づけるのは、「広背筋(こうはいきん)」などの背中の筋肉と、「大殿筋(だいでんきん)」というお尻の筋肉です。
これらの筋肉は、意識して使わないと特に衰えやすい部位。背中の筋肉が衰えれば、猫背になり背中に脂肪がつきやすくなります。
お尻の筋肉が衰えれば、ヒップは重力に負けて垂れ下がり、腰回りとの境目もなくなってしまうのです。
原因3:骨盤の歪み(反り腰・後傾)
骨盤は、内臓を支え、姿勢の土台となる重要なパーツです。しかし、長年の姿勢の癖や筋力低下によって骨盤が歪むと、ぽっこりお腹や腰回りの脂肪が目立つ原因になります。
特に多いのが、腰が過剰に反ってしまう「反り腰」と、逆にお尻が落ちてしまう「骨盤後傾」。どちらも正しい位置に内臓や筋肉を保持できなくなり、体型崩れを加速させます。

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
施術の現場では、この「骨盤の歪み」が後ろ姿の印象を大きく左右しているケースが本当に多いです。
特にデスクワークの方は、無意識のうちにお尻が後ろに落ちる「骨盤後傾」になりがち。これがヒップラインが四角く見える最大の原因だったりします。
骨盤はまさに“身体の要”。ここを意識するだけで、セルフケアの効果も格段にアップします。
特に、出産は骨盤が大きく開くため、産後の体型変化の大きな原因となります。出産経験があり、体型の戻りにくさを感じている方は、産後特有のケアが必要です。
骨盤はまさに“身体の要”。ここを意識するだけで、セルフケアの効果も格段にアップします。
原因4. 食生活や生活習慣の乱れ
これまでの要因に加え、糖質の多い食事や運動不足、長時間のデスクワークによる姿勢の悪化といった日々の生活習慣が、体型変化に追い打ちをかけます。
特に見落としがちなのが「睡眠不足」。睡眠が不足すると、食欲を増進させるホルモンが増え、代謝を司る自律神経も乱れがちに。これらの複合的な要因が、あなたの腰回りを手ごわい相手にしているのです。
参照元:京都産業保健総合支援センター「睡眠が不十分だと太ります」
【実践編】おばさん体型は治せる!4つの対策で体型をリセット
原因がわかれば、あとは行動あるのみです。ここからは、おばさん体型を「治す」ための具体的な4つの対策を、専門家の監修のもとご紹介します。
「運動は苦手」「時間がない」という方でも大丈夫。完璧を目指す必要はありません。無理なく、ご自身のペースでできることから始めてみましょう。
対策1:【運動編】1日5分!自宅でできる「ながら筋トレ&ストレッチ」
運動の目的は、骨盤の歪みを整え、衰えた筋肉(特に背中・お尻・お腹)を呼び覚ますこと。
ここでは「簡単」「短時間」「気持ちいい」をコンセプトに、今日から始められるメニューを厳選しました。

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
お客様からも「運動は苦手で…」というお声をよくいただきます。大切なのは、完璧を目指すことより「気持ちいい」と感じられることを「続ける」ことです。
特にインディバの施術でも重要視しているのですが、体を“温めてから”動かすと、筋肉もほぐれやすく効果を実感しやすいんですよ。ご紹介するストレッチも、ぜひお風呂上がりなど体がポカポカしている時に試してみてくださいね。
まずはこれだけ!骨盤の歪みを整えるリセットストレッチ
硬くなった股関節周りをほぐし、骨盤を正しい位置に戻すことから始めましょう。お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うのが効果的です。
- 片膝を立て、もう片方の足は後ろに伸ばす。
- 息を吐きながら、ゆっくりと重心を前に移動させ、後ろ足の付け根が伸びるのを感じる。
- 気持ちいいところで30秒キープ。反対側も同様に行う。
脱・おばさん後ろ姿!背中とヒップを引き締める集中トレーニング
後ろ姿の印象を劇的に変える「背中」と「お尻」にアプローチします。テレビを見ながらでもできる簡単な動きです。
- 仰向けになり、両膝を90度に曲げて立てる。
- お尻の力で、肩から膝までが一直線になるようにゆっくりと持ち上げる。
- 一番高い位置で2秒キープし、ゆっくりと下ろす。これを15回繰り返す。
天然のコルセットを作る!インナーマッスル強化トレーニング
お腹周りを内側から引き締める「腹横筋」を鍛えましょう。息を吐ききるだけの「ドローイン」なら、いつでもどこでも実践できます。
- 姿勢を正し、鼻から大きく息を吸ってお腹を膨らませる。
- 口から「ハー」っと息を吐きながら、お腹をできる限りへこませる。おへそを背骨に近づけるイメージ。
- へこませた状態を30秒キープ。これを数回繰り返す。
対策2:【食事編】「頑張らない」食生活改善のコツ

厳しい食事制限は不要です。重要なのは、代謝が落ちた40代以降の体に合わせた「食べ方」と「選び方」を知ることです。
「何を食べるか」より「食べ方」が重要!3つのルール
血糖値の急上昇を抑え、筋肉の材料となる栄養素をしっかり摂ることがポイントです。
- 食べる順番は「野菜・汁物→肉・魚→ごはん」:食物繊維を先に摂ることで、血糖値の上昇が緩やかになります。
- タンパク質を毎食「手のひら1枚分」:筋肉の材料であるタンパク質は、まとめて摂るより毎食コンスタントに補給する方が効率的です。
- よく噛む:満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぎます。
意識して摂りたいタンパク質源
食品カテゴリ | 具体例 | 目安量 |
---|---|---|
肉類 | 鶏むね肉、ささみ、豚ヒレ肉、牛もも肉 | 手のひら1枚分 |
魚介類 | 鮭、サバ、アジ、エビ、イカ | 1切れ |
大豆製品 | 豆腐、納豆、豆乳、厚揚げ | 豆腐1/4丁、納豆1パック |
卵 | 鶏卵 | 1〜2個 |
置き換えるだけ!賢い糖質の選び方
糖質を完全に断つ必要はありません。血糖値を上げにくい「茶色い炭水化物」に置き換えるだけで、脂肪の蓄積は抑えられます。
- 白米 → 玄米、もち麦ごはん
- 食パン → 全粒粉パン、ライ麦パン
- うどん → そば
対策3:【生活習慣編】日常の「ついで」を有効活用する
日々の何気ない動作を少し意識するだけで、体は変わります。「ジムに行く時間がない」という方こそ、生活の中にトレーニングを取り入れましょう。
正しい「座り方」「立ち方」を意識する
骨盤を立てて座るだけで、インナーマッスルが自然と使われます。坐骨(お尻の下にある硬い骨)で座面を捉え、頭のてっぺんが天井から糸で吊られているようなイメージを持つのがコツです。
立つ時は、足の裏全体で地面を押し、下腹部に軽く力を入れましょう。
とは言え、常に姿勢を意識し続けるのは難しいですよね。特に長時間のデスクワークなどでは、気づくと骨盤が後傾しがちです。
そんな「うっかり姿勢崩れ」を防ぐためのサポーターとして、骨盤周りを物理的に支えてくれる着圧レギンスを活用するのも非常におすすめです。
質の良い睡眠で「痩せホルモン」を味方につける
睡眠中は、成長ホルモンや食欲をコントロールするホルモンが分泌される、体にとって重要なメンテナンス時間です。最低でも6時間、できれば7時間の睡眠を目指しましょう。
寝る1時間前からはスマホを見るのをやめ、部屋を暗くしてリラックスできる環境を整えることが、睡眠の質を高める鍵です。
対策4:【ファッション編】-5kg見え!体型カバースタイリング術
体型改善には時間がかかります。努力を続けながら、今の自分を素敵に見せるファッションの力も借りましょう。「隠す」のではなく「スッキリ見せる」のがポイントです。
トップスは「ふんわり」、ボトムスは「すっきり」が鉄則
気になる腰回りをカバーしてくれる、少しゆとりのあるトップスを選びましょう。
一方で、ボトムスは落ち感のあるIラインのスカートや、センタープレスの入ったテーパードパンツなどを合わせると、縦のラインが強調され、全体がスッキリと見えます。
視線を上に集める「小物使い」
華やかなネックレスやピアス、スカーフなどを顔まわりに持ってくることで、自然と視線が上に集まり、気になる腰回りから注意をそらすことができます。
【Q&A】おばさん体型の腰回り・後ろ姿に関するよくある質問
最後に、皆さまからよく寄せられる質問に専門家がお答えします。
Q1. 部分痩せは本当にできないのですか?
残念ながら、特定の部位の脂肪だけを狙って落とす「部分痩せ」は、医学的には難しいとされています。
しかし、今回ご紹介したように、狙った部分の筋肉を鍛えて引き締めることで、見た目をスッキリと変えることは十分に可能です。
Q2. おすすめのサプリやグッズはありますか?
サプリやグッズはあくまで補助的な役割です。まずは食事や運動の基本を見直すことが大前提となります。
その上で、セルフケアの効果をさらに高めたい、あるいは日中も手軽に骨盤周りのサポートが欲しいという方には、着圧レギンスを取り入れるのも一つの有効な手段です。
例えば、人気の「ベルミス」は、骨盤周りをしっかりホールドしてくれる設計で、履いている間、自然と正しい姿勢を意識しやすくなります。「つい猫背になってしまう」「長時間のデスクワークでお尻が広がる感じがする」といった方には、日常の動作をサポートしてくれる心強い味方になるでしょう。
もちろん、ご自身に合ったものを選ぶことが大切ですが、このようなサポートアイテムを賢く活用するのも、モチベーションを維持するコツですよ。
Q3. なぜ後ろ姿は特に老けて見えるのですか?
後ろ姿に年齢が出やすい理由は主に3つあります。
- 姿勢の悪化がダイレクトに現れる
- 自分では見えないため意識が向きにくい
- 背中周りの筋肉は日常生活で使われにくく、特に衰えやすい
意識的にケアすることが若々しい後ろ姿を保つ秘訣になります。
まとめ:体型変化は自分と向き合うチャンス。「治す」と決めた今日がスタートです
「おばさん体型」と呼ばれる体型変化は、ご紹介した4つの原因が複合的に絡み合って起こります。しかし、それは裏を返せば、4つの対策(運動・食事・生活習慣・ファッション)のどこからでもアプローチできるということです。
この体型の変化は、落ち込むべきことではなく、あなたの体が「少しケアしてほしい」と送っているサインです。そして、自分の体と向き合い、大切にする絶好のチャンスでもあります。この記事を読んで「治したい」と決意したあなたのその気持ちこそが、最もパワフルな原動力です。
完璧を目指す必要はありません。まずは寝る前のストレッチ1つから、あるいは明日のランチで食べる順番を意識することから始めてみてください。その小さな一歩の積み重ねが、3ヶ月後、半年後のあなたを、自信に満ちた素敵な姿へと導いてくれるはずです。あなたの「変わりたい」という想いを、私たちは全力で応援しています。