筋膜ローラーを使った後に「あざ」や「内出血」ができて、不安に感じていませんか。
結論から言うと、そのあざは力の入れすぎや間違った使い方が原因であることがほとんどです。この記事を読めば、ご自身のあざが安全かどうかを明確に判断できるようになります。
インディバ専門セラピスト監修のもと、この記事では以下の点を分かりやすく解説します。
- 一目でわかる!安全なあざと危険な内出血のチェックリスト
- なぜ?あざができてしまう3つの根本原因
- もう繰り返さない!内出血を防ぐための正しい使い方
あなたの不安を解消し、今日から安心して効果的なセルフケアを再開するための、全ての情報がここにあります。

この記事の監修者
近藤 好美
ORIENTAL GREEN 銀座インディバ
オーナーセラピスト/インディバスーパーバイザー
セラピスト歴25年、インディバ施術歴20年以上の経験を持つ、身体のラインとコンディションを整えるプロフェッショナル。これまでに3,000人以上の身体の悩みに向き合い、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を提供。
目次
【危険度チェックリスト】その内出血・あざ、放置して大丈夫?
まず、ご自身のあざや内出血がどのレベルにあるのかを客観的に把握しましょう。筋膜ローラーによるあざの多くは、毛細血管が傷ついてできる一過性のものです。しかし、以下に示す「危険度が高いサイン」に当てはまる場合は注意が必要です。
ご自身の症状と照らし合わせながら、一つずつチェックしてみてください。
チェック項目 | 危険度が低いサイン (様子見でOK) | 危険度が高いサイン (要注意・受診を検討) |
---|---|---|
色と変化 | 紫→青→緑→黄色と時間経過で正常に色が変化し、徐々に薄くなる。 | ・濃い紫色のまま、範囲がみるみる広がる ・2週間以上たっても全く消える気配がない |
痛み | 押すと痛む(筋肉痛に近い)程度。痛みは日を追うごとに和らいでいく。 | ・何もしなくてもズキズキと脈打つように痛む ・熱を持っている ・痛みが日に日に強くなる。 |
見た目 | 小さな点状のものが数個できる程度で、腫れはほとんどない。 | ・手のひらサイズなど広範囲にわたる ・皮膚が硬くなっている ・明らかに腫れ上がっている |
もし「危険度が高いサイン」に一つでも当てはまる、あるいは少しでも「いつもと違う」と感じた場合は、セルフケアの専門家として、速やかに皮膚科や整形外科といった医療機関を受診し、医師の診断を仰ぐことを強く推奨します。

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
サロンにいらっしゃるお客様からも、「このあざ、大丈夫ですか?」というご相談は本当によくいただきます。まずはこのチェックリストで冷静にご自身の状態を確認することが第一歩ですよ。
私たちセラピストは身体を整えるプロですが、診断は医師の専門分野です。セルフケアで判断に迷う時は、決して無理せず、専門のお医者様に相談するという選択肢を必ず持っておいてくださいね。
なぜ?筋膜ローラーで内出血や”あざだらけ”になる3つの主な原因
筋膜ローラーで内出血やあざができる主な原因は、皮膚の下にある毛細血管がローラーの圧力によって傷つけられるためです。特に、良かれと思ってやっていることが、かえって身体への負担となっているケースが少なくありません。
ここでは、その代表的な3つの原因について、なぜそうなるのかというメカニズムと共に解説します。
圧力が強すぎる(「痛いほど効く」の誤解)
最も多い原因が、単純に圧力をかけすぎていることです。「痛い方が効いている気がする」と感じ、つい全体重をかけてゴリゴリとローラーを転がしてはいませんか。これは典型的な間違いです。
強すぎる圧力は、ターゲットである筋膜を適切にリリースする前に、その上にある毛細血管を不必要に傷つけてしまいます。その結果、内出血が起こり、広範囲のあざにつながってしまうのです。

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
「痛い方が効く気がする」というお気持ち、とてもよくわかります。ですが、これは本当に多くの方が陥る“もったいない”間違いなんです。
私が25年以上、様々なお客様の身体に触れてきて感じるのは、身体は正直だということ。不必要な力で組織を傷つけるのではなく、心地よい圧でじっくりと働きかけることが、結果的に一番の近道になりますよ。
毛細血管が刺激に慣れていない
特に筋膜ローラーを使い始めたばかりの時期は、あざができやすい傾向にあります。これは、普段あまり刺激を受けることのない部位の毛細血管が、ローラーによる圧力にまだ慣れていないためです。
ただし、これは身体が新しい刺激に適応していく過程でもあります。正しい使い方を続けていれば、徐々に毛細血管が丈夫になり、あざはできにくくなっていくことがほとんどです。
骨・血管のすぐ上を圧迫している
ローラーを当てるべきではない場所を圧迫している可能性も考えられます。筋膜ローラーは、あくまで筋肉や筋膜にアプローチするためのツールです。
くるぶし、膝、すねの骨、骨盤の出っ張りなど、皮膚のすぐ下に硬い骨がある場所を圧迫すると、骨とローラーで血管を強く挟み込むことになり、内出血のリスクが非常に高まります。
「知恵袋」でも見かける、筋膜ローラーのあざ・内出血のQ&A
ここでは、多くの方が疑問に思う点や、ネット上で見かける情報について、身体の専門家であるセラピストの視点からお答えします。一人で悩まず、正しい知識を身につけて不安を解消しましょう。
Q1. あざができるのは「好転反応」や「セルライトが潰れている証拠」って本当?
よくある声
「あざは体内の老廃物が流れてる証拠だって聞いた」「セルライトが潰れてる痛みなら我慢した方がいい?」

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
一般的に、「好転反応」は医学的な用語として明確に定義されているものではありません。また、あざはセルライトが潰れている直接的な証拠とは言えません。
あざは、あくまで「毛細血管が傷ついた」という組織損傷のサインです。老廃物が原因で色がつくわけではありません。過度な刺激は、かえって炎症を引き起こし、組織を硬くしてしまう可能性すらあります。
「痛みを我慢すればセルライトが消える」という考えは非常に危険ですので、絶対にやめてください。
そもそも、セルライトの正体や脂肪との違いをご存知ですか?なぜセルライトを潰してはいけないのか、その詳しい理由と正しいケア方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
Q2. あざがなかなか消えません。どのくらいで治りますか?

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
個人差はありますが、通常は1週間から2週間ほどで自然に消えていきます。
打撲のあざと同じように、最初は紫色っぽく、次第に青→緑→黄色と色が変化しながら薄くなっていくのが一般的な治癒プロセスです。
もし、2週間以上たっても全く色が薄くならない、むしろ濃くなる、痛みが続くといった場合は、セルフケアの範囲を超えている可能性があるため、一度医療機関に相談することをおすすめします。
参考元:ドクターズ・ファイル「あざ(症状・原因・治療など)」
Q3. 背中やお腹など、特定の部位にあざができやすいのはなぜですか?

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
皮膚が薄い部位や、自分で力の加減を確認しにくい部位は、あざができやすい傾向にあります。
例えば、背中は自分の目で見ながら圧を調整することが難しく、意図せず強く圧迫してしまいがちです。特に、背骨にローラーが直接ゴリゴリと当たってしまうと、強い痛みや内出血の原因になります。
お腹周りも、皮膚が柔らかく敏感なため、優しく行う必要があります。
【応急処置】内出血・あざができてしまった時に、まずやるべきこと
あざや内出血ができてしまったら、慌てずに適切な応急処置を行いましょう。症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
- STEP
ローラーの使用を一時中断する
まず、あざがある部位へのローラー使用は完全にストップしてください。治りかけの組織にさらに刺激を加えることは、症状を悪化させるだけです。
- STEP
患部を冷やす(アイシング)
あざができてから24〜48時間以内は、炎症を抑え、内出血が広がるのを防ぐために冷やすのが有効です。ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルで包んで15分〜20分程度、優しく患部に当てましょう。
- STEP
安静にする
激しい運動や長風呂など、血行が過度に良くなるような行動は、最初の1〜2日は避けましょう。身体を休ませて、自己治癒力に任せることが大切です。
もう繰り返さない!内出血を防ぐための”正しい”筋膜ローラーの使い方
内出血やあざを繰り返さないためには、使い方そのものを見直すことが最も重要です。以下の3つのポイントを意識するだけで、身体への負担は劇的に減り、筋膜リリースの効果を安全に得ることができます。

近藤 好美
ORIENTAL GREEN
原因や対処法がわかったところで、ここからが一番大切なポイントです。私がお客様、特に身体を資本とするモデルさんや俳優さんにお伝えしているのは、『呼吸を止めないこと』。
息をフーッと吐きながらローラーを転がすと、自然と身体の力が抜けて、最適な圧で筋膜にアプローチできるんです。ぜひ「呼吸」も意識しながら試してみてください。
圧の強さは「痛気持ちいい」レベルで
息を止めたり、顔をしかめたりするほどの痛みは、明らかに「強すぎ」のサインです。深呼吸しながらリラックスして行える「痛気持ちいい」と感じる程度の圧が、最も効果的で安全な強度です。最初は軽く、物足りないくらいから始めてみましょう。
時間は「1部位30秒~1分」を目安に
同じ場所を長時間やり続けるのは逆効果です。1つの部位につき30秒から長くても1分程度を目安に、ゆっくりと転がしてください。全身を行っても、合計で10分以内には終えるようにしましょう。
動かし方は「ゆっくり、一方向に」
焦ってゴシゴシと激しく往復させるのはやめましょう。筋肉の走行に沿って、心臓から遠い末端(足首や手首)から、心臓に近い中心部に向かって、ゆっくりと一方向に転がすのが基本です。
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BELMISE 3WAY筋膜ローラーは、表層筋・深層筋・磁気刺激の3つのアタッチメントを使い分けることで、目的に応じたセルフケアが行える多機能型のマッサージアイテムです。
お風呂上がりなど体が温まっているタイミングで使用することで、硬くなった筋肉や筋膜を効率よくほぐせます。
【最終チェック】こんな症状はすぐ病院へ!受診を判断する危険なサイン
最後に、万が一の場合に備えて、医療機関の受診を強く推奨する危険なサインを改めて確認します。セルフケアは、安全が第一です。以下の項目に一つでも当てはまる場合は、自己判断で様子を見ずに、速やかに専門医に相談してください。
- 何もしなくてもズキズキと強く痛む、脈打つような痛みがある
- あざの部分がパンパンに腫れ上がり、異常な熱を持っている
- 手のひらよりも大きいあざができた、またはどんどん広がっている
- 軽い力しか加えていないのに、毎回のように広範囲のあざができる
- 2週間以上たっても、あざが全く薄くなる気配がない
- 原因不明の倦怠感や発熱など、あざ以外の全身症状を伴う
これらの症状は、単なる内出血ではなく、血腫(血の塊)の形成や、稀ではありますが血液疾患などの病気が隠れている可能性も否定できません。迷ったら、まずはお近くの整形外科や皮膚科を受診しましょう。
内出血を正しく理解し、安全に筋膜ローラーの効果を最大化しよう
筋膜ローラーによる内出血やあざは、そのほとんどが「圧の強すぎ」や「間違った使い方」に起因します。
この記事で解説したポイントを振り返ってみましょう。
- 危険なサインを見極める:色・痛み・大きさをチェックし、異常があれば迷わず病院へ。
- 正しい使い方を徹底する:「痛気持ちいい」圧で、1部位1分以内、骨の上は避ける。
- 焦らない:あざができたら、まずは休んで冷やす。
あざができるメカニズムと、ご自身の身体からのサインを正しく理解すれば、もう不必要な内出血に悩まされることはありません。
ぜひ、今回ご紹介した正しい知識を身につけて、安全で効果的なセルフケアを続けてください。あなたの身体は、きっと素晴らしい変化で応えてくれるはずです。
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