「足のむくみで靴が履けなくなった」
「夕方になると足がパンパンに張る」
そんな経験はありませんか?
足のむくみは多くの方が悩む症状ですが、実は身近なツボ押しやマッサージで効果的に解消できる可能性があります。
本記事では、足がむくむ原因から、むくみに効果的なツボとその押し方、注意点まで詳しく解説します。
毎日のセルフケアで、すっきりとした軽やかな足を取り戻しましょう!

この記事の監修者
近藤 好美
ORIENTAL GREEN 銀座インディバ
オーナーセラピスト/インディバスーパーバイザー
セラピスト歴25年、インディバ施術歴20年以上の経験を持つ、身体のラインとコンディションを整えるプロフェッショナル。これまでに3,000人以上の身体の悩みに向き合い、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を提供。

目次
足のむくみの原因とは

足のむくみに悩んでいる方は、まず原因を理解することが大切です。
むくみとは、皮下組織に余分な水分がたまった状態のことを指します。
足のむくみは水分バランスの乱れで起きる
人体の約60%を占める水分は、血管・リンパ管・細胞の間を行き来しながら全身のバランスを保っています。
足のむくみは、体内の水分バランスが何らかの要因によって乱れ、回収しきれなかった水分が血管の外側にしみ出してその場に溜まることで表れる症状です。

近藤 好美
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特に足は身体の最下部であり心臓から離れた場所にあるため、血流が滞りやすく、むくみやすい部位となっています。
足のむくみの主な原因
足のむくみを引き起こす主な原因は以下の通りです。
長時間同じ姿勢を続けている
立ち仕事やデスクワークなど、ずっと同じ姿勢の状態でいると、ふくらはぎの動きが少なくなり、筋肉の収縮作用によるポンプ機能がうまく働かなくなってしまいます。
その結果、足の血液が心臓に戻りにくくなり、うっ滞してむくみにつながります。
運動不足による筋力の低下
運動不足や老化により、筋力はどんどん低下していきます。
特に、ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、心臓のようなポンプの働きをしています。ふくらはぎの筋力が低下すると血液を心臓に戻せなくなり、血液中の水分が停滞することでむくみやだるさを感じやすくなります。
冷え性や血行不良
体が冷えると血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。
塩分の摂りすぎ
人体には、体内の塩分濃度を常に0.9%前後で保とうとする性質があります。そのため、塩分を過剰摂取すると、塩分濃度を上昇させないために体内に溜め込む水分量も増えることになり、むくみやすくなるのです。
女性ホルモンの影響
生理前や妊娠中は、ホルモンなどの影響で身体が水分を溜め込もうとするため、自然とむくみが起こりやすくなります。男性よりも筋肉量が少なく皮下脂肪が多い女性は血行不良が起こりやすく、むくみや体の冷えが起こりやすいと言われています。
足のむくみに効果的なツボ

足のむくみを解消するには、ツボの刺激が効果的です。ツボ周辺を押して刺激することで身体の巡りに働きかけ、むくみを緩和する効果が期待できます。
ここでは、自分自身の手指で刺激できる、足のむくみに効果的なツボを7か所ご紹介します。
三陰交(さんいんこう)

三陰交は、足の内側、足首より少し上にあるツボです。
位置の見つけ方
小指を内くるぶしの一番高い部分に置き、そろえた指4本をそのまま足に沿わせて人差し指が当たっているラインから、骨と筋肉の境目で押すと痛みを感じる部分を探します。
効果
消化器をはじめとした内臓の活性化に働きかけることで、血行の改善やむくみ、冷えの解消に効果が期待されます。

近藤 好美
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また、生理痛や生理不順など、女性特有の症状に高い効果があるといわれるツボです。
陰陵泉(いんりょうせん)

陰陵泉は、すねの内側にあるツボです。
位置の見つけ方
すねの内側をくるぶしから骨に沿って指をすり上げて、止まった場所にあるツボです。
効果
体内の水分代謝を整え、膀胱機能の調整に働きかけるため、むくみや冷えの改善効果が期待できます。
また、下痢や消化不良などの水分バランスの乱れに伴う不調の際にも用いられます。
湧泉(ゆうせん)

湧泉は、足の裏側、足先から1/3ほどの位置にあるツボです。
位置の見つけ方
ギュッと握るように足の指に力を入れたときに、足の裏で一番へこむ場所にあります。足の指を曲げた際にもっとも凹んだ部分に位置しています。
効果
血行の改善や水分代謝を促すことで、むくみや冷え、倦怠感の解消に効果が期待できます。疲労回復や不眠対策にも効果があるといわれるツボです。
豊隆(ほうりゅう)

豊隆は、両足のふくらはぎにあるツボです。
位置の見つけ方
すねの骨の外側で、ひざと足首の中間で外側の筋肉が1番盛り上がっているところにあります。
効果
足でもっともむくみが気になるふくらはぎに効果的で、刺激すると余分な水分の排出をスムーズにしてくれます。
足三里(あしさんり)

足三里は、両足のふくらはぎにあるツボです。
位置の見つけ方
むこうずねの外側を下から上にさすっていくと、骨にあたって止まる場所があり、その場所から小指側に人差し指1本分だけ外側にあるくぼみになります。
効果
内臓の動きを活発にすることで体の中に溜まった老廃物の排出を促し、溜まった疲れを和らげてくれます。
承筋(しょうきん)

承筋は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)がもっとも高く盛り上がっている位置にあるツボです。
位置の見つけ方
ふくらはぎの一番盛り上がった場所にあります。
効果
ふくらはぎのポンプ機能に働きかけ、血行の悪さを改善する効果が期待できます。
太衝(たいしょう)

太衝は、両足の甲にあるツボです。
位置の見つけ方
足の親指と人差し指の間をなぞっていった時に、骨にあたって止まる場所にあるくぼみです。
効果
気血の巡りをスムーズにしてくれるため、むくみに効果があります。

近藤 好美
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押してみると鋭い痛みを感じる人もいるかもしれませんが、痛すぎない程度の力加減で刺激しましょう。
足のむくみに効果的なマッサージ方法

ツボ押しと併せてマッサージを行うことで、より効果的に足のむくみを解消できます。
ここでは、自宅で簡単にできる足のむくみ解消マッサージをご紹介します。
足裏のマッサージ方法
足裏には、湧泉をはじめとした多くのツボが集まっています。
- 両手の親指を重ねて湧泉に当て、残りの指で足の甲を包み込むようにして支えます。
- 足先に押し出すイメージで、気持ちよさを感じられる範囲の強さで押します。
湧泉の周辺を青竹やテニスボールを踏んでほぐすのも効果的です。
ふくらはぎのマッサージ方法
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。
- 両手の親指を上下に並べるようにしてふくらはぎにあてます。
- 「承筋」や「承山」などのツボを通るように下から上に押しさするようにマッサージします。
注意点として、リンパマッサージは強い刺激を与えると逆効果になることがあります。
すねの内側・外側のマッサージ方法
すねの内側と外側には、むくみに効果的な複数のツボが並んでいます。
- いすに座って、右足を左ももの上にのせます。
- 右足を持って、右足首を大きく時計回りに19回、逆時計回りに19回ずつ回します。
- 右足のすねの内側の骨を外側から人差し指の第2関節でさすり、外側も同じようにさすります。
- 左足も右足と同じように、順番にマッサージします。

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このマッサージを行うことで、「陰陵泉」「足三里」「陽陵泉」といったツボを同時に刺激することができます。
お腹のツボのマッサージ方法
お腹にある「天枢(てんすう)」と「関元(かんげん)」のツボもむくみに効果的です。
- おへその周りにある天枢、関元のツボを見つけます。
- 人差し指と中指を使って時計回りに円を描くようにマッサージします。
- お腹がじんわりと温かくなるまで続けます。
足のむくみ解消のツボを押すときの注意点

ツボ押しやマッサージは効果的なむくみ解消法ですが、正しい方法で行わないと逆効果になることもあります。
ここでは、足のむくみ解消のツボを押すときの注意点をご紹介します。
ツボ押しの適切な強さと頻度
ツボ押しの効果を最大限に引き出すためには、正しい強さと頻度で行うことが重要です。間違った方法で行うと、かえって筋肉を傷めたり、むくみを悪化させてしまう可能性があります。
適度な力加減で押す
むしろ過度な圧は筋肉を傷つけて、足のむくみを悪化させる可能性があります。
ツボを刺激する際は、指の腹を使って、イタ気持ちいいくらいの強さでゆっくりと押すのがコツです。
頻度は1日3回を目安にする
ツボを押す時は、1日3回を目安に行いましょう。
ツボ押しをする正しいタイミング
ツボ押しは健康的なセルフケア方法ですが、タイミングによっては体調を崩してしまうこともあります。
食事直後は避ける
食後すぐは食べた物の消化に血流を集中させたほうがよく、全身の血流を改善するツボ押しは避けましょう。食事の前後30分〜1時間は空けることをおすすめします。
お風呂上がりがおすすめ
ツボ押しは、できればお風呂上がりなど体が温まり、皮膚がやわらかくなった状態で行うのがおすすめです。心身ともにリラックスした状態で行うことで、よりツボを刺激しやすくなります。
眠る2時間前までに行う
ツボ押しで血流が良くなり体温が上がる点を考慮し、ツボ押しは眠る2時間前までが良いタイミングだと言えるでしょう。
ツボ押しを避けるべき人
以下の状況に当てはまる場合は、ツボ押しやマッサージを控えるか、必ず医師に相談してから行いましょう。
疾患がある
高血圧や糖尿病、心臓病、腎臓病などの疾患は血行促進の影響を受けやすいと考えられているため、足つぼマッサージはNGです。がん手術後のリンパ浮腫の場合には、必ず医師に相談してから始めてください。
妊娠中
三陰交をはじめ、一部のツボは、妊娠中の刺激を避けたほうがよいとされるツボです。妊娠中の方は、必ず医師に相談してから行いましょう。
炎症がある
鍼灸やツボ押しの副作用として、「もみかえし」があります。
慢性的なむくみは医療機関へ相談する
原因に心当たりがなく、足のむくみが何日も続く場合は、何らかの疾患を疑ったほうがよいかもしれません。むくみの原因が疾患である場合は、セルフケアによる解消が難しいため、一刻も早く医師の診察を受けましょう。
内臓の機能が弱まると、全身の血行が悪くなったり水分の排出機能が滞ったりして、むくみが現れるケースがあります。少しでも病気の可能性がある場合は、必ず医師の診断を仰ぎましょう。
足のむくみを予防する生活習慣

ツボ押しやマッサージと併せて、日頃の生活習慣を見直すこともむくみやすい体質の改善には必要です。
ここでは、足のむくみを予防する生活習慣のポイントをご紹介します。
適度な運動で筋力を維持する
足のむくみの原因の一つが、運動不足による筋力低下です。特に、ふくらはぎの筋肉は足から心臓へ血液を送り返す際にポンプの役割を担っているため、筋力低下がむくみにつながりやすくなります。
日常的に体を動かす
中国には、昔から「動能生陽(体をよく動かせば、「陽」が生まれる)」という言葉があります。
こまめに姿勢を変える
デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢を続けると、ふくらはぎのポンプ機能が働きにくくなります。

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座りっぱなしの人はこまめに立ち上がったり歩いてみましょう。
食生活の見直しをする
食事内容もむくみに大きく影響します。
塩分の多い食べ物を避ける
塩分の摂りすぎは、足がむくむ大きな原因の一つです。
インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品、麺類、スナック菓子などは比較的塩分を多く含んでいるので注意しましょう。食べ物を購入する際には成分表示を確認し、食塩相当量やナトリウム量の少ない商品を選ぶことが大切です。
カリウムの多い食べ物を食べる
カリウムは体内の余分なナトリウムに作用し、尿とともに排泄される働きを助けます。
切り干し大根、ほうれん草、長いも、枝豆、昆布、納豆、ぶどう、アボカド、バナナなどがカリウムを多く含んでいます。「塩分を摂りすぎたな」と思ったら、カリウムが含まれる食べ物を積極的に選びましょう。
ビタミン・ミネラル・たんぱく質をバランスよく摂る
カリウム以外にも、ビタミン類やミネラル、たんぱく質が不足すると血流や代謝が悪くなりやすく、むくみにつながります。
偏食にならないようバランスよく食べることが、むくみ体質改善の基本です。
水分補給を行う
足のむくみの原因となっているのは、水分の取り過ぎではなく、水分が足りていない可能性があります。
むくみを解消するには、毎日適度な水分を補給することが重要です。
体を温める習慣をつける
食べ物においては、生の物や冷たい飲食は避けてなるべく加熱調理することや、生姜、ニンニク、ネギ、シナモンなど体を温める食材を積極的に摂ることがおすすめです。
また、足湯やマッサージをするのも効果的です。
夜更かしは禁物で、日頃から早寝早起きの規則正しい生活を心がけましょう。
足のむくみ解消のツボを押して快適な毎日を送ろう
足のむくみは、長時間同じ姿勢を続けることや運動不足、塩分の摂りすぎなど、日常生活の中で起こりやすい症状です。
本記事でご紹介した三陰交、陰陵泉、湧泉などの足のむくみに効果的なツボ押しを、毎日のセルフケアに取り入れてみましょう。
ツボ押しはイタ気持ちいい程度の力加減で、1日3回を目安に行うのがポイントです。お風呂上がりなど、体が温まった状態で行うとより効果的です。ただし、強く押しすぎたり、食事直後に行うのは避けましょう。
毎日のツボ押しとマッサージで、すっきりとした軽やかな足を取り戻し、快適な毎日を過ごしましょう!
ツボ押しやマッサージに加えて着圧レギンスを活用することで、より効率的にむくみ対策ができます。
ベルミスは、医療用の着圧技術を応用した設計で足全体に適切な圧力をかけることで血液循環をサポートし、むくみの予防と軽減に効果が期待できます。
ツボ押しと着圧レギンスを組み合わせることで、相乗効果によりさらなるむくみ解消が期待できます!

